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『七獅武遊録』第5話

諍いの原因は
不用意な一言
であったりする。

---- 掲載日 ------------
・皇紀2672/09/22

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七獅なぜに出しゃばる

o

荒涼
風ひとつ吹かぬ草はらに
木剣を構え対峙する二人。
いったい如何なる因縁か
しきりに間合いをうかがい
相手を倒さんとする。



o



間合い次第に狭まり
剣先十分に相手をとらえるその時・・・・・・。

o

・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここで時間が巻戻り五日前に。
所は二人が通う剣術道場に置き換わる。

言い争いの始まりは
構えた時のつま先の角度がどうこうといった話。
そんな話でも
当人にとっては至極甚大であったりする。



そして夜の帳が下りて
月光さやけく光を放つ頃になると・・・・・・。

もともといがみ合う仲でもなく
捻じ曲がった性根でもない二人。
そんな二人は一つの思いに至った。
しかし・・・・・・


奥座敷に呼び出され
親父によって崖っぷちに追い込まれた虎之助。
一方、龍之進の屋敷では・・・・・・





女は争いごとを好まぬ、という俗説には根拠がない。

実は、二人の師の土城泥斎は
他流試合はもちろん
門人同士の腕試しさえ禁じていた。
禁にそむけば即破門。



同門腕試しの禁があっさり覆ったのは
老人の気まぐれか。
あるいは
秘かに方針転換の機会をうかがっていたか。
「万事物事は悪化するの法則」どおり
二人の運命は奈落へと転がって行く。
そして立合いは
村の外れの原っぱ。
ここなら邪魔が入らない、はずであった。


この時代の立合いは過酷なもので
泥仕合にでもなったら
どちらか「参った」と言わぬ限り
勝負は終わらぬ決まりであった。
そこへ・・・・・・




さすが七獅は主人公だけあって
進退窮まった二人の間に割って入った。


もともとは
ともに武芸に精進し
ともに酒を酌み交わす仲。
悪い方へ悪い方へと傾いた運命も
ここで打ち止めとばかりに胸を撫で下ろす二人。


さすが七獅は主人公だけあって
小さな命さえおろそかにせぬ。




おしまい

お断り

『七獅武遊録』は時代考証をはじめ
何から何まで全て虚構です。
だから
「子どもに一人旅など不可能だ」等の
野暮なツッコミはご遠慮ください。

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